建材のMDFとは

MDF素材のメリットとデメリット

目次

MDFとは

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私たちはずっと昔から、木を使って家を建てたり、家具を作ったりしてきました。近年、家の内装や建具、テーブルなどに使われる木材は様々です。天然木材もありますが、工業製品として作られた木材も多くあり、新商品もたくさん発表されています。
工業製品として作られた木材MDFについて説明いたします。MDFはMedium Density Fiberboard(ミディアム・デンシティー・ファイバーボード) の略称で、正式には中質繊維板(ちゅうしつせんいばん)と呼ばれています。木材を繊維状にほぐし、接着剤などを配合して熱圧成型した「繊維板」の一つです。欧米において木質資源の有効活用を図るために発達しましたが、日本にも輸入され、進化発展してきたものです。

JIS  A 5905が定める規格では、木材などの植物繊維を原料とし、ドライプロセス(接着剤を用いる製造工程)で製造される繊維板のうち、密度が0.35g ~ 0.80 g/立方センチメートルのものをいいます。工業製品ですから品質が安定しています。つまり、天然材特有の欠点を補い、木材をムダなく活用する素材として、住宅の中の造作物、ドアの扉や家具などに使われます。
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MDFの特徴

MDFの製法は、まず、木材チップを蒸煮(むしに)して繊維状に分解します。その繊維木質に接着剤(合成樹脂)を加え、熱圧成型して板状にしていくものです。同じチップ材を原料とするパーティクルボードや配向性ストランドボード(OSB)に比べて、板を構成する要素(セグメント)が小さいので、表面だけでなく木口部分も滑らかです。

MDFの利点

普通の木材の様に軽量で加工しやすい特質をもっています。さらに工業製品ゆえに、木材特有の反りや乾燥割れなどが少なく、品質が安定して極めて安価です。

MDFの欠点

木材やパーティクルボードに比べ木質を構成する要素が小さくなるため、木材本来の耐水性などが維持できません。したがって水や湿気に弱く、カビなどが繁殖しやすくなります。商品として使用する時は、板の表面に薄いプラスチックくを貼ったり、塗装などの表面処理をして使います。

性能のバリエーションが広い

MDFには前述のような利点、欠点はありますが、接着剤の種類、木材チップの種類、木質密度の組み合わせを工夫することで、様々なMDFを作ることができます。つまり製法によって性能のバリエージョンが広くなるのも大きな特徴になります。

MDFの主な用途

建物の構造材にも利用されることもありますが、主な用途は、木材の厚みを要求されるような、家具類や棚、収納といった造作物が主体でです。たとえば、家具の扉、側板、背板、住宅設備機器の扉、カーテンボックスなどの造作物、スピーカーのキャビネット、カラーボックスなどがあります。その多くは、断熱性・遮音性・重量など、厚みのある木材を要求される用途です。
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生活に合った建材

木材は空気のような存在として身の回りにありますが、自然にある木をそのまま使うことは少ないようです。生活が多様化するなかで、様々な用途に適合した木質が必要になってきました。そんな要求に応えるようにして生まれた木材がMDFです。

MDFは目的に応じて工業的に作られた木材です。私たちは、直接、MDFの質感を目にすることは多くありません。表面に薄い装飾材が貼られていたり、塗装されているからです。表面処理された商品の内部基材になっていることが多いのです。それだけに、内部基材の特徴を詳しい人によく聞いてから購入することをお勧めします。

特徴のところに書きましたが、MDFの特質は木片チップの種類や、成形に使用する接着剤によって変わります。木の種類は、ラワン、ラジアータパイン(マツの一種)、カラマツ、スギ、あるいはリサイクル素材など。木の種類が変われば、色はもちろんのこと、粘りや硬さなども変わります。接着剤にはユリア系接着剤、メラミンユリア、イソシアネート系等があり耐水性があります。つまり、水にも強いMDFです。

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