唐木家具(からきかぐ)とは素材が、黒檀(こくたん)、白檀(びゃくだん)、紫檀(したん)、鉄刀木(たがやさん)、花梨(かりん)などの樫木でできた箱物家具のことをいいます。見た目が美しく、彫刻が施されているのが特徴です。
唐木家具に使用される唐木は「とうぼく」とも呼ばれて、東南アジアやインドから輸入されている樫木の総称で、遣唐使時代に中国より伝来してきました。大阪にて現在の形になったとされ、日本の伝統工芸のひとつです。
唐木は材料として使用できるまで成長するのに、100年から300年という長い年月が必要になります。
目次
主な用途
主に唐木を使用した家具で、たんす、飾り棚、茶棚、火鉢、お盆、座卓、食卓、文机、衝立、花台などの和家具として多く利用されています。
唐木家具の特徴
唐木家具は非常に硬く、木目が美しく重厚感のある高級家具です。さらに唐木は繊密で腐食しにくい材質です。唐木家具は唐木に美しい彫刻と施し、その上から漆を塗って仕上げています。
唐木にはいくつかの種類があり、どれも濃色なのが特徴です。
・紫檀赤みを帯びた濃色で赤褐色・濃紫色・黒色などの縞模様があります。硬いが刃物の通りは良いので、加工がしやすい素材です。耐久性があり、狂いが少ないのも特徴です。
・黒檀重くて硬い重量感があります。木肌が細かく油が多く、磨くと光沢が出てきます。唐木家具に良く使われ、縞黒檀とも呼ばれています。
・花梨紅褐色~赤褐色・黄褐色で、美しいこぶ杢があることも。狂いが少なくて割れにくく、塗装や接着性もよいので、工芸品や家具の材料として向いています。
・鉄刀木材の征目面には個性の強い斑点が出ます。材質は強くて硬くて粘りがあり繊密です。耐朽性や保在性が高いのが特徴です。
デメリット
唐木家具は成長するまでに100年から300年かかり、材料が手に入りにくくなります。よって、市場に出回るのも限られています。それに伴って、値段も高くなってしまいます。
唐木家具は繊細なので、取り扱いに注意しなければなりません。乾燥したところや湿気の多いところでの使用はひび割れの原因になります。座卓や食卓などでは、熱いものや底がざらざらとしたものを直接置くと、変色や傷が付いてしまうこともあります。壊れたり破損した場合は、ただちに専門の業者へ修理出しましょう。
長く大事に使うべき日本の伝統工芸品
日本の伝統工芸のひとつである、唐木家具。唐木の濃色は重厚感があり、その唐木を活かす彫刻の職人技が光ります。唐木は100年から300年という長い年月をかけて成長します。よって、手に入りにくく、とても貴重な材質であることが伺い知れます。
唐木家具はワックスなどには弱いので、柔らかい布で拭いてあげることで、唐木家具を長く使っていくことができます。唐木にもたくさんの種類があり、それぞれに特徴があります。それぞれの風合いが醸し出す唐木家具は高級感を漂わせ、人が集まる場所に設置すれば、たちまち落ち着きのある華やかな空間になり、来客をおもてなしすることができるでしょう。
伝統工芸のひとつなので、破損したり壊れた時は専門の業者に修理を依頼すれば、新品同様になり、また何十年もの時を越えて行くことができるでしょう。唐木という貴重な材質と彫刻という職人の技、そして工芸品を修理する職人、唐木家具は全てが揃って、美しい家具を長い間使うことができるのです。