白は膨張色なので、空間を広く見せる効果があります。何といっても清潔感があり、気分がリフレッシュさせますよね。長時間見つめると目の疲労が蓄積するのが難点ですが、大切なものを包む色の代名詞です。花嫁さんや建物、車、衣類、食品など。そのポリシーは空間デザインにおいても代表的なベースカラーとして君臨する理由です。はじまり、誠実、上品、清潔、さわやかさをイメージします。茶にはリラックス効果があります。自然の中で土を連想させるかのような温もりの色です。多用は地味や頑固といったイメージを与えてしまうこともありますが、安定感や目立たない力強さがベースカラーとして人気のある理由です。茶を白で薄くしたベージュも茶と同様に精神的な安定感を与える作用があります。ベージュの何気ない謙虚さがファッションでも相手に好印象を与えるように、空間デザインにおいても落ち着いた雰囲気を与えてくれることからベースカラーに選ばれる色の1つもありです。ベージュを白で調節したピンクは疲れた心に再び人を思いやる温かさをあたえてくれる色といわれています。女性ホルモンの分泌が上昇することからも女性的な印象を与えます。そして、食欲を増進させる効果もあるようでダイエット中の刺激には注意が必要という人もいます。メイン空間のベースカラーとなることはないと思いますが、医院やおもちゃ屋さん、複合商用施設の赤ちゃんルームのように小さい子供を待機させる空間のベースカラーに利用する色です。
目次
マンセルカラーシステムって何
アメリカの美術教育者で画家でもあるアルバート・マンセルさん(1858-1918)によって色の比較表現のためにつくられたものです。マンセルさんは1898年に研究をスタートして、7年間の成果を著書A Color Notation で1905年に発表しました。この著書をアメリカ光学会が視感評価実験によって修正したものを基盤に収録しているのがMunsell Book of Colors です。色の色相環(赤から橙、黄、緑、青、紫、赤紫に至るまでの色調層)の中に、色相、明度、彩度という色の三属性を含めて図示したものをマンセルの色立体といいます。色相環の中心に軸を描き、y軸方向が明度でx軸方向が彩度を示しています。
マンセル近似値の利用と色の作りかた
色の表記は三属性に従って、色相・明度/彩度です。例えば7R 4/10という表記は、色相が7R(RはRedのRで赤)、明度が4、彩度が10であることを示しています。塗料や一部の絵具は、このマンセル近似値を用いて色を表現しています。この他には、特別な例として白と黒を混合して作られる無彩色があります。つまり、白と黒と別にさまざまな濃度のグレーを合わせています。無彩色は基本的には彩度が0なのでN明度と表記しますが、一部のグレーはN4.6などと示します。白と黒を合わせるとグレーになりますが、茶色はどの色の組み合わせによって作り出せるかわかりますか。青と黄に赤を加えると茶色になります。青と黄は混ぜると緑になるので、緑と赤を混ぜることでも茶色を作ることができます。茶色はフローリングやドアなど様々な部分で木の風合いを空間に加える要素でインテリアのべースカラーにもなる色です。ベースカラーの代表には茶色だけではなく、ベージュも挙げられます。ベージュは赤と黄に白を加えて作ります。このようにちょっと難しい色の作り方は覚えておかなければなりません。
補色と差し色
みなさんの空間にはどんな色がありますか。色の保健効果を狙ったインテリアができていますか。住む人の視覚的な好みに加えて色の人の健康や心理に影響を与える効果を狙った工夫を施せばみなさんの空間もレベルアップしましょう。
色の基本三原色
光の三原色は赤と緑と青のことです。重なると明るくなって、全てが混ざると白色光になります。色の三原色はシアンとマゼンダとイエローのことです。 重なると暗くなって、すべてが混ざると灰色になります。家庭用プリンタのインクでもおなじみのことと思います。異なる色を比較する指標に色相があります。色相とは色の区分けのことです。赤みや青みといった色味のことをいいます。そして色調という指標もあります。色調とは明度と彩度という2つの指標を含んでいます。明度は色の明るさで、明るい赤や暗い青といった色の明暗のことをいいます。彩度は色のあざやかさで、色味の強さと弱さのこと。色には明度と色相が決まっていて他の色との比較ができます。例えば、黄色の明度は一番高くて青や紫は黄色よりも明度は低いのです。この明度の高低にのっとった色の配列を自然配列(ナチュラルシーケンス)といいます。これらの指標を使っていくつかの色を区別すると、「全ての色の中で明度は黒が最も低く、白が最も高いのです。中間のグレーの明度は赤と同じですが、彩度が大きく異なっています。白や黒と同様にグレーの彩度は最も低く赤は色の中で最も高いのです。」といったふうに比較できます。
色の生理的影響
それぞれの色には人の健康にどんな効果があるでしょうか。わかっているだけで生理的、心理的、感情的な影響があります。色の生理的な影響として評価によく使われるのが血圧と自律神経です。つまり視覚がその色に包まれることで、精神的に落ち着きリラックスして過ごせる、もしくは長時間でも継続して作業に取り組める集中力を養う空間デザインに役立てるかどうかです。日々のストレスを癒したり、子供の成長に色の生理的効果をインテリアに加えることも大切ですね。さらに文化によっては、そこで何かを象徴するシンボルでもあります。例えば喪は西洋文化では白で東洋文化では黒で表現します。
インテリアに取り入れるべき色の効果
では空間デザインに取り入れるべきそれぞれの色にはどのような生理的効果があるかを見ていきましょう。赤や黒。インテリアイメージを変えたい時のアクセントカラーの使い方とスタイリッシュに空間をカラーコーディネートする方法【 赤 】を参照して下さい。橙は恐怖やプレッシャーによる心の不安を減らす効果のある色です。黄は左脳を刺激することで理解力、記憶力、判断力が高まると考えられています。言葉の選択と会話全体の構成がスムーズになる効果があります。明度によっては見づらい色ですが、黒と合わせると道路上で危険を示す標識のように視認性が向上します。緑は自然のイメージでリラックス効果があります。青は副交感神経を刺激します。つまり体温、脈拍や単位時間あたりの呼吸数も一定で、深い安定した呼吸を保てます。色彩心理学的にも、集中力を必要する作業をサポートとすると考えられています。このように、子供といっしょに家族が使う壁パレットは黄や青にすることがおすすめなのです。