部屋にインテリアを配置する際には「動線」というものを確認しておく必要があります。動線を考慮してレイアウトしているかどうかで生活の快適さが変わってきます。ここでは動線について解説し、実践方法などを紹介していきます。
目次
人が通れる幅を確保する
動線は人の動きを線で表したものです。人が通るために必要と言われているスペースは約50㎝から60㎝です。横向きに移動をすれば50㎝弱、正面を向いたときが60㎝付近になります。また、生活環境などを考えて、人が多く滞在するリビングなどはもう少し考え方を拡張する必要があります。リビングなどは人がすれ違うことの多い場所でもあるので、人一人分より幅広くインテリアや家具を配置しなくてはなりません。正面を向いている状態でも二人がすれ違うことのできる幅は約120㎝です。さらに動線を考えるとき、幅だけでなく目的の場所まで最短距離で移動ができるように考慮しなくてはなりません。最短距離で移動ができ、幅もゆとりがあって快適な空間となる必要があります。また見落としがちなのが歩く以外のアクションです。
色んな動作が不自由なくできるレイアウト
歩く以外の行動に、座ることや立つことなどがあります。イスを使うのであれば、イスを引く動作も加わります。例えばイスを引いた場合、その分後ろのスペースが狭くなります。イスを頻繁に使うことが予想できているなら、イスを引いた時の幅で動線を考えることも大切です。
移動距離を増やさない
動線ではゆとりある幅を確保する他に、最短で目的地に到着できることが重要ということでしたが、これができてない部屋はどんな状態なのでしょうか。例えば本棚が部屋の奥にあり、ここにある本を取ろうとしたとします。しかしこの本棚と自分との間にはベッドとソファがあるととても邪魔に感じることでしょう。これら避けるようにして回り込まなければなりません。この時の幅が60㎝以上だったとしても、部屋の中でくねくね歩かされると快適とは言えません。すべての移動を最短でできるようにレイアウトするのは難しいです。そのためどこかで妥協することも必要となります。頻度の少ない通り道は少しだけ回り道を許すようにするとバランスが保ちやすくなります。
部屋を広く見せる方法
実際の動きやすさの他に、錯覚などの視覚的な効果を取り入れることで部屋を広く見せ、快適な空間を演出することもできます。例えば遠近法を使ったものでは、部屋の奥に向かって小さな家具を配置する方法があります。日本ではよくある縦長の構造をした部屋に効果的です。これは、部屋に入ったとき左右ではなく、奥に向かって伸びている部屋のことです。ワンルーム賃貸の多くがこうした形状をしているので実践もしやすいと思います。タンスや本棚のように比較的高さのあるものを入り口手前から配置し、ソファやローテーブルは奥に配置します。部屋に入った瞬間の印象が、通常より広く感じることになります。
動線から快適な暮らしを作る
様々なインテリア、そして家具を配置する際には人の動きに沿った動線を元に考えることで快適さを確保することに繋がります。人の通る時の幅や、最短距離の動線を意識しながら室内の配置を考えていきましょう。